お客様が望むことを上回って初めて感動してもらえ、お客さまの心に残り、また利用したいと思ってもらえます。
想像してないところから発想されるサービスはお客さまに感動を与えやすいのです。
サービスを提供する側に固定観念があると感動は与えられない
サービスを提供する側が、「このサービスはこんなものでしょ」と線引きしたり、「こういうもの」という固定観念を持ってしまうと、それが相手にも伝わってしまいます。
これしかできないとか、そういうことではなく、自分がお客様の立場だったらどう思うのかと考えられなければ、サービスの向上はありません。
しかし、まれに「自分が客だったらどう思う?」と問いかけても「別にそんなものだと思って納得します」と答える人もいます。
向上心がないのか、いろいろ諦めて生きてきたのかわかりませんが、非常に残念だなと思ってしまいます。ただ、そこで残念だと思って諦めるのであれば、そこから新しいサービスは生まれません。
そういう場合、話を変えて、自分は過去にどんなびっくりする対応をしてもらったことがあるか、ということを話すところから始めるようにしています。
すると、たいていの人が自分の想像を越えたサービスを何らかのかたちで受けたことがあるので、自分の体験談も話すようになり、具体的なサービスのイメージをしやすくなります。
イメージを共有化して出てきたアイディアはすべて実現させる
イメージが共有化できると話は早いです。そういった今まで自分がビックリしたような体験をお客様にしてもらうためには、自分達は何ができるかというのを一緒に考えるのです。
固定観念を取っ払って違う目線で自分達のサービスを見直しているので、それまでとは違っていろいろとアイディアが出てきます。
出てきたアイディアは、全て否定せず、まずは出尽くすまで「いいね!いいね!」と肯定しましょう。現実的かどうかは後で考えればいいのです。
出たアイディアについては、どうしたら実現できるかを考え、最後に実現可能なものから優先順位をつけて実行していくのです。
魅力的なサービスはクレームから生まれる
クレームや苦情というのは、お客様が不快な思いをした時に出てきます。中にはいちゃもんをつけているだけのようなものもありますが、そこに魅力的なサービスのヒントが隠されているのです。
かつて、某焼き肉チェーン店は、全然お客様が入らない店だったそうです。それを打開しようと、お会計の際にお客様の感じた苦情やクレームを300円で買い取るということをしました。
すると、クレームや苦情を言えば安くなるので、お客様の声がどんどん集まったのです。中には無理やりひねり出したようないちゃもんに近い苦情もあったそうです。
それをひとつづつ可能な限り対応して、いつの間にか人気全国チェーン店になったそうです。
見方を変え、常識を捨てると新しいことが見える
例えば居酒屋さんで、「しょっちゅうこの店に通っているのでカミさんに怒られている」という苦情に対して、「そんなことを言われても…」と言うのでは新しいサービスは生まれません。
それを、帰りに家族へのお土産として「持ち帰り用のデザートセット」を始めてみるというアイディアに変換するといった発想の転換が必要なのです。
苦情への直接的な解決策を考えるのではなく、そういった発想の転換のきっかけに使おうと思えば、全てが新しいヒントとなるのです。
「ピンチはチャンス」といった言葉があります。ピンチを処理するだけのままにするのはやめて、新しい発想でチャンスにしてみませんか。
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