5月に読んだ本として紹介した本なのですが、あの記事だけでは書き足りないことだらけ。
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それだけの良書だったので、改めて書評としてご紹介したいと思います。
20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義
ルールは破られるためにある
「不可能に思えること」に挑戦するうえで、いちばん邪魔になるのは、周りから「できるわけがない」と端から決めてかかられることです。大きな問題に取り組むのは、確かに大変です。でも、いったんやると決めたら、従来のやり方を変えようとするのも同じくらい大変です。ここでも、いくつかルールを破ることが役に立ちます。
ブレイン・ストーミングをする際には、出てきたアイデアのダメ出しをしてはいけないということが重要です。新しいことを考えようとしているのに、「できるわけがない」という従来の考え方をしてしまっていては、新しいアイデアは生まれなくなってしまいます。
そういった考え方をしないように、スタンフォード大学では面白い演習をしているそうです。
まず、グループ毎に、自分たちに関係のある課題を挙げてもらいます。次に、グループを少人数のチームに分けて、課題が解決できそうな最高の案と、成果があがらず問題が悪化しそうな最悪の案を考えてもらいます。
そして、各チームが挙げた最高な案を捨て、最悪な案の方だけをそれを集めて別のチームに配り直します。各チームは、他のチームが考えた最悪な案を練り直して、最高の案にするというものです。
すると、手元に回ってきた最悪のはずのアイデアが、実は全然ダメではないことに気がつきます。アイデアにひねりを加え、視点を変えると、本当は素晴らしいアイデアであることに気が付くことがあるのだそうです。
もし、これが最初から最悪の案という目でしか見ることが出来なければ、新しい気付きはありません。ありきたりな案しか思いつかないのでは、「不可能に思えること」は不可能のままになってしまいます。
いつもの考え、いつものルールに縛られては何もできません。当たり前の考えや常識を疑い、決まられたルールを疑うことで、斬新なアイデアが生まれてくるのです。
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早く何度も失敗せよ
わたしは学生に「失敗のレジュメ」を書くことを義務づけています。私生活や仕事上、あるいは学校で犯した主な失敗をまとめてレジュメにするのです。それぞれについて、その経験から何を学んだかも書いてもらいます。学生は成功したことばかり書くのに慣れているので、この課題を出すと呆気にとられます。でも、レジュメを書き終えると気づきます。失敗というレンズを通して自分の経験を見ることによって、自分が犯してきた過ちを受け入れられるようになるのだと。その証拠に、昔の教え子たちの多くは、何年経っても、通常の成功のレジュメと並行して、失敗のレジュメを更新し続けています。
成功者の多くは、「失敗をしなさい、そしてそこから多くを学びなさい」と言っていました。しかし、失敗から多くを学ぶといっても漠然としたもので、実際にその失敗の原因と対策を考えたりする人は少ないでしょう。なので、失敗をしても学ぶことができず、同じことを繰り返したり、肝に命じることができなかったりするものです。
製造業等では、製品に不具合が発生した場合、不具合対策書というものを作って失敗をきちんと分析します。それによって、なぜ不具合が起きてしまったのか?不具合を再発させないためにはどうしたらよいのか?ということを検証します。
人生においても、同様なことをすれば、自分が行ってしまった失敗を客観的に見ることができます。そして、それを文章化することにより、自分の意識の中に記憶することが出来るのです。そういった意味では、これは非常にいい方法だと思います。
リスクを取ってうまくいかなかったとしても、あなた自身が失敗者なのではない、ということも覚えておいてください。失敗は外的なものです。こうした見方ができれば、失敗しても立ち上がり、何度も挑戦できます。
(中略)
失敗は学習のプロセスにつきものだということを肝に銘じておいてください。失敗していないとすれば、それは十分なリスクを取っていないからかもしれません。
もちろん、失敗は無いに越したことはありません。しかし、全く失敗をしないということは、何もチャレンジしてこなかったということと同じだと思っています。せっかくチャレンジして、失敗という経験ができたのですから、その失敗を活用すべきなのかもしれません。
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無用なキャリア・アドバイス
振り返ってみると、キャリアを築くうえでもっと早く知っておきたかったことは、わたしが受けた昔ながらのアドバイスとは逆であったことに気づきます。(中略)ぴたりとはまる役割を見つけるには、実験を繰り返し、多くの選択肢を試し、周りから明に暗に受け取っているメッセージを検証し、正しくないと思えば突っぱねることが必要です。
諸先輩方の有り難いアドバイスが、すべて自分の役に立つわけではありません。特に進路についてのアドバイスは、必ずしも正しいものとは限らないものです。周囲の人は、失敗しない方法や選択をアドバイスしようとしますが、失敗しないことが正解とは限らないからです。
例えば、好きでもないけれど、たまたま得意なことがあったとします。周囲からは、得意なことを仕事にすることを勧められますが、自分にとって興味がなければ、それが天職になることはありません。いくら得意だからといっても、興味が持てないことはどこかで壁にぶつかり、その壁を乗り越える気力が持てないことが出てくることでしょう。
結局、自分の人生は自分のものでしかありません。自分の人生の脚本は、他人に書いてもらうものではなく、自分で書くものです。
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ただ、そうは言っても、他人のアドバイスが必要ないといっているわけではありません。自分では気づかない客観的視点から貰えるアドバイスも、中にはあるからです。
だから、必要なのは正しいことを見極める力です。自分自身にとって何が正しくて、何が間違っているのか、本当に必要なのは、それを判断する力だったりするのです。
まとめ
この本には、日本人が一番欠けている、起業家精神とイノベーションを学ぶことがたくさん記されていました。
「決まりきった次のステップ」とは違う一歩を踏み出したとき、すばらしいことが起きます。いくつになっても人生は変えられるのだということを、改めて教えてもらえた本でした。
もし、現状に行き詰ってしまっているなら、この本を手に取ってみてください。きっと、立ち止まってしまったあなたの背中を押してくれることでしょう。
それではまた、see you!
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