人が、人に対する情報を得るのに主に使うのが視覚です。次に聴覚、そして嗅覚、触覚といったところでしょうか。
この中で、第一印象で一番の判断基準となるのが視覚です。その人と関わる機会が少なければ、話すこともないので聴覚は使えませんし、距離があれば嗅覚、触覚は使うことがありません。
つまり、関わりはないけれど視野に入る程度の人を判断するのに、情報としてインプットされるのは見た目だけということなのです。
見た目だけで人は相手のキャラクターを作ることができる
見た目というと、顔やスタイルといった外見だけのことを思い描いている人も多いと思いますが、容姿がいい悪いだけで人が判断されるというような単純な話ではありません。
確かにイケメンや美人はそれだけで得することも多いかもしれません。
しかしながら、イケメンや美人でも相手に勝手にキャラクターを作られていることがあるのです。
例えば、どんなにイケメンでも、チャラそうな格好をしていれば、実は根が真面目で彼女に尽くすタイプでも、相手にチャラいという印象を与えてしまいます。(逆にそれがギャップとしてプラスになることもありますが…)
また、どんなに美人でも、ほとんど笑わない女性では、ツンケンした高飛車な人間に思われてしまうこともあるのです。
つまり、見た目が9割というのは、相手に与える視覚情報の全てのことに対して言っているのです。
代表的な5つの視覚情報
服装
服装は相手の印象を左右する重要な情報です。
例えば、そんなにイケメンでなくても、ファッションセンスがある人は雰囲気イケメンとしてモテることがあります。
極端な例とすれば、フリフリのフリルのついた洋服を好んで着る女性に対しては、夢見る乙女キャラ?という印象を持たれることもあります。(例として挙げただけなので特に他意はありません)
また、清潔感のある服装であったり、TPOに合った服を選んだり、安くてもジャストサイズで着ているといったことも相手の印象を良くするポイントだったりします。
TPOに合った服装の代表例がリクルートスーツです。
リクルートスーツは大体みな同じような紺のスーツを選びますよね。面接ウケがいいというのがその理由です。
では何故面接ウケがいいのか?
それは、自分という個性を消し、組織の中で歯車として働く気があるという意思表明だからです。会社は個性よりも企業の歯車となる画一的な人物を求めているので、相手にその意思を表示することによって少しでも内定を獲得するチャンスを得ようとしているのです。
ただし、そんな特徴のないリクルートスーツでも、ジャストサイズであったり、小物にセンスがあるだけで、同じスーツでも他の学生とは違う「できる男」という印象に変えることができるのです。
持ち物
持っているアイテムでも相手の印象を変えることができます。
現在、テレビ東京で深夜に放映中の「俺のダンディズム」というドラマでは、うだつの上がらないサラリーマンの主人公が、課長になったことを期にダンディーなアイテムを揃えながらダンディズムを極めるという内容を紹介しています。
クタクタの鞄やボロボロの靴よりも、センスのいい鞄を持っていたり靴を履いているほうが、相手にいい印象を与えることができるのです。
しかしながら、持つ物も本人がそれを持つに相応しい人間でなければ意味がありません。例えば、高校生や新入社員が高級ブランド品を買い揃えていても全くいい印象を与えることができませんよね。
どんなに良いものを持っていたとしても、それを身につけている人がそのブランド品が似合う人でなければ、マイナスイメージになってしまうのです。
セレブと成金では印象が180度違うのはそのせいでしょう。立場に合ったアイテムを選択しなければプラスにもマイナスにもなってしまうのです。
清潔感
服装でも少し出ましたが、清潔感というのは人の印象にかなり影響が出ます。
男性の髪型でも、美容室で綺麗にカットされてセットしている長髪と、ただ伸ばしっぱなしにしているだけのボサボサの長髪ではイメージが違いますよね。
他にも、ボロボロの靴を履いているサラリーマンは仕事ができなさそうに見えたり、机が汚い人は忙しそうに見える半面、整理整頓のできない人に見られる場合があります。
表情
外見で言えば、表情は相手に与える印象を大きく左右するポイントのひとつです。
いつもニコニコしている人は、善い人という印象を与えますし、いつも眉間にシワを寄せて怒った表情の人は、相手にマイナスのイメージしか与えません。
それは、ニコニコしている表情は幸せな気分にしてくれますが、いつも怒っている表情では暗い嫌な気分にさせられてしまうからです。
ツンツンした美人よりニコニコした普通の子がモテるのもこうした印象によるものが大きいのです。
姿勢、佇まい、行動
見た目というのは何も顔やファッションだけではありません。姿勢や佇まい、行動によっても相手の印象を変えることができます。
例えば、姿勢では、ピンと背筋が延びた姿勢で歩いたり座っている場合と、背中を丸めた猫背で歩いたり座っているのでは印象が全然違います。
何をするにもバタバタと慌ただしい人と、常に落ち着いて無駄のない動きをする人では印象が変わってきます。
不良少年が捨て猫を抱いていたら、本当は優しい人では?という印象が与えられますが、真面目な生徒会長が実は裏でタバコを吸っていたら、本当は裏のある人では?という印象を与えてしまいます。
本や新聞を読んでいる人は頭が良さそうな印象を与えますが、漫画やゲームばかりしている人に同じ印象を持つことはありません。
約束の時間より少し早く行動する人と、時間ギリギリの人では、同じ時間を守る人であっても印象は違うものです。
姿勢や佇まい、行動というのも相手に好印象を与えたり、不快感を与えたりしてしまうものなのです。
見た目の印象は受けとる側によって変わる
これまで挙げた全ての項目が相手にとって同じ印象を与えるわけではありません。受けとる側によってプラスにもマイナスにもなってしまうのです。
真面目な清潔感のある格好では交際相手の両親ウケするかもしれませんが、同年代の女の子にモテるわけではありません。チャラい格好のほうがモテる場合もあります。
出勤時間の30分前に出社して新聞を読んでいる新入社員を誰しもが認めるわけでもありません。
印象というのは受けとる側によってプラスになるかマイナスになるかが決まりますので、一概にこれが正しいということはないのです。
見た目以外の印象
見た目以外で印象が変わるのが、言葉遣いや声のトーン、言葉の選び方などの聴覚に関するものがあります。
また、匂いというのも意外と印象を左右します。いい匂いがするとか、体臭が臭いというのは、それまでの外観の印象を変えてしまうこともあります。
これらも相手の印象を変える非常に重要なポイントですので、外見を気にしたあとに気をつけるといいでしょう。
見た目は全ての第一関門である
人は第一印象で多くを判断する傾向にあります。異性に対しても、見た目が自分の好みのボーダーライン以上なければそれ以上の仲に発展しようとはしないものです。
仕事でも、仕事ができそうかどうかで与えられるチャンスが違ってきます。
中身が大事なのは確かですが、中身を見てもらうには、見た目という第一関門を突破する必要があるのです。
つまり、見た目を良くするというのは、より多くのチャンスを得るためのライフハックであるということなのです。
まとめ
いかがでしたか?
中身が大事!ありのままの自分を見てもらいたい!という今はやりのアニメ映画のようなことは確かに理想です。
しかし、中身を見てもらうには、まずはあなたに興味をもってもらう必要があるのです。
また、中身というのは、外見にも出てくるので、結局中身がいい人というのは外見もいい人となるのです。
まずは自分の外見を見直して、相手にどのような印象を与えているのかを把握することから始めてみましょう。
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