月一恒例となった前月読了した本のご紹介です。
先月も、ギリギリでしたが目標としている月5冊を何とか読了できました。
いつものように、1冊づつご紹介していきたいと思います。
それでは、どうぞ。
不格好経営 -チームDeNAの挑戦-
我らが横浜DeNAベイスターズの親会社であるDeNA創業者、南場智子氏の著書です。今年に入り、「うちのベイスターズが…」と言いたいがために、親会社のDeNAの株を購入しましたが、せっかく株を買ったのならと思い、読んでみました。
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南場氏は、世界的外資系コンサルタント会社であるマッキンゼーを経てDeNAを立ち上げて、たった数年で年商1千億円、東証一部上場を達成し、プロ野球球団買収を行うなど、凄腕の起業家だという認識があったのですが、著書では、起業家南場智子の経営ノウハウというより、どのようにして仲間を作り、組織にしていったかが記されていました。
なぜ育つか、というと、これまた単純な話で恐縮だが、任せる、という一言に尽きる。
人は、人によって育てられるのではなく、仕事で育つ。しかも成功体験でジャンプする。
それも簡単な成功ではなく、失敗を重ね、のたうちまわって七転八倒したあげくの成功なら大きなジャンプとなる。
よくビジネス本や自己啓発本を読み漁っても成長なんてできないって話を耳にします。自分もその類の本を読み漁っている身なので耳が痛い話なのですが、確かに自分でもそう思います。本を読んだところで、経験をしたわけではないからというのがその理由です。
これらの本を読むのは、知識として頭に入れておけば、その場になったときに少なからず選択肢が増えるからという程度の考えが正解だと思います。実際、わかっていることを行動にうつすことは、それだけ大変だからです。
大企業で、なかなか人が育たないのは、大きな仕事を任せてもらえないからという理由があるそうです。大きな仕事を担当させてもらえたとしても、最終的な決定権はありません。その時の上司の判断であっさり決定事項が覆ることがよくあります。
すると、最終的な責任を負うことが、なかなか無いので、大きな失敗を経験することもなく、のたうちまわって七転八倒するようなこともありません。絶対的な経験値が足りないので、成長することが出来ないのでしょう。
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DeNAでは、「誰が言ったかではなく何を言ったか」という表現を用いて「人」ではなく「コト」に異議を集中するようにしているそうです。実際、大企業のように、役職者の裁量で決定事項や人事評価が決まってしまっては、常に上しか見ないで仕事をするような人が増え、役職者ではない人たちの存在意義がなくなってしまいます。
すると、仕事に一生懸命になるのではなく、上司の顔色を窺い、派閥を作ったりといった政治的な活動が仕事のメインになってしまい、結果的に「つまらない仕事」をするようになってしまいます。
会社での立場が人間の上下関係でないことは確かで、そこをはき違えると下品なリーダーになってしまう。
従属ではなく、独立した人間として尊敬し合えるチームであって欲しい。
こんな会社で働いてみたいと思いませんか?
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DeNA本では、この他にも、この本の舞台裏のを記した春田会長の著書「黒子の流儀 DeNA 不格好経営の舞台裏」があります。ベイスターズファンとしては、球団参入の裏話があるコチラの本の方が読み応えがありそうですね。
この本も近いうちに読みたいと思います。
仕事の答えは、すべて「童話」が教えてくれる。
先月読了した「いつだってマンガが人生の教科書だった」の著者、千田琢哉氏が、童話をいろいろな視点からビジネスへのヒントとなる切り口を解説しています。
例えば、童話「桃太郎」です。「桃太郎」には、良い人脈が築けないと不満に思っている人へのヒントが詰まっていると言います。
◆つべこべ言わず圧倒的実力をつけることこそが、人脈の必要条件
自分が圧倒的な魅力を放たなければ、人脈はできない。
桃太郎は圧倒的は存在になったから犬や猿や雉を引き寄せることができた。
もし桃太郎が弱者のまま仲間集めをしていたら、どうだろう。
同様に依存心の塊のような人たちが群がってくる。
これはサラリーマン社会と酷似している。
依存心の塊のメンバーばかりで何かを成し遂げられるだろうか。
不可能だ。依存心の強いもの同士4人で仕事をするより、
自立している一人のほうが圧倒的に良い成果を出せると断言できる。
私の周りにもいますが、依存心の強い人ほど自分から行動に移せません。行動に移そうとする場合には、必ず誰か付き添いを伴います。
一人で行動できない人間を信頼する人はいません。人の助けを常に求める人間は、責任までも他人に乗せようとするからです。
童話桃太郎では、鬼退治に行くのに、おじいちゃんやおばあちゃんの助けを求めていません。一人で鬼ヶ島に出発したからこそ、旅の途中で犬、猿、雉を仲間にすることができました。
いい人脈を作りたければ、まずは自分から行動に移すことです。その姿を見て集まってきた仲間は、きっと最強のメンバーになることでしょう。
このように、「桃太郎」をはじめとする全20作品の童話をもとに、大人の童話の読み方が紹介されています。中には「うーん」と思う解釈もありますが、物語をそのまま受け止めるのではなく、自分なりの解釈を探しながら読むというのは、すごくタメになりました。
あっ!命の授業
芸人ゴルゴ松本氏がボランティアで行っている少年院での講演活動。私も以前このブログで紹介しましたが、そこで話されている内容が書籍化されました。
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◆送り仮名をつけるのはあなたです
あなたの人生は、あなたの考え方でどうにでも変わります。
日本語は愛(あい)から始まりますが、
愛する、愛さないを決めるのはあなたです。辛いも同じです。
辛い状況を「辛い」と言うか、「辛くない」と言うか、
送り仮名の違いが人生を決めるんです。
言霊というのを知っているでしょうか。人は誰もが自分の中に神様が宿っています。その神様は、あなたが発した言葉に魂を宿します。プラスの言葉ばかりを口にする人はプラスのことが引き寄せられ、愚痴や文句などのマイナスなことばかりを口にする人は、マイナスなことが引き寄せられます。
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前向きな言葉を口にするのは勇気が要ります。行動が伴わなければ、ただ口だけの人間になってしまうからです。また、辛いことや悲しいことがあったときに前向きな言葉を言うには強さが必要です。
どちらの言葉を選ぶかは、自分だけです。そして、自分で選んだ言葉で自分の人生も変わるのです。
この本では、言霊の力を信じ、日本語を前向きに解釈する方法がたくさん書かれています。今、悩みがある人、辛いことがある人、前向きに行きたい人必見の一冊です。
雨の日も、晴れ男
「ウケる技術 (新潮文庫)」「夢をかなえるゾウ 文庫版」で有名な水野敬也氏の著書。
物語は、幼い二人の神様のイタズラによって、さまざまな不幸に見舞われる会社員アレックスが主人公のお話。詐欺にあおうが、会社をクビになろうが、家が火事になろうが、どんな不幸が訪れても物事を前向きに向き合い、雨の日を晴れにしようとします。
イタズラによって、どんなに不幸な目にあっても、アレックスは不幸とは思わず、幼き神の想像の上を行く行動をしました。その行動を見ていた幼き神のうちの一人は、次のことに気が付きました。
アレックスは、目の前にいる人を楽しませようとした。
つらいときも、苦しいときも、悲しいときも。
そして、もう一人の幼き神様は、神として最も重要な一つの事実に気づきました。
神は、人を不幸にすることも、幸福にすることもできない。
ただ、出来事を起こすだけ
先ほどのゴルゴ松本氏の著書でも前向きな考え方が書かれていましたが、この本では、「人生で一番大切なことが何か」を教えてくれています。
目の前で起こることを、良い事と思うか、悪い事と思うかは自分次第です。送り仮名を自分で決めるように、神様が起こす出来事を、良いことと悪いことのどちらか決めるのは自分自身なのです。
そして、ポジティブな考えは、自分自身を幸せにするだけでなく、周りの人も幸せにします。悩み、落ち込み、涙しても、最後に笑おうと行動できれば、雨の日を晴れにすることが出来るのです。
「笑えて」「泣いて」「タメになる」水野敬也氏らしいエンターテイメント小説です。ポジティブになりたい人にぜひとも読んでいただきたい1冊です。
What I Wish I Knew When I Was 20 (20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学 集中講義)
日本の教育制度によって、何の疑問もなく「企業人として使いやすい人間」に作られてしまった多くの日本人に一番足りないものが起業家精神とイノベーションです。
例えば、今、手元に5ドルあります。二時間でできるだけ増やせと言われたらどうしますか?
多くの日本人の場合、「5ドルを元手に何とか増やそうと努力をする人」、「たった5ドルじゃ何もできないと諦める人」が殆んどではないでしょうか。
これは、実際にスタンフォード大学の授業で生徒たちに出された課題です。そして、学生たちは、こうしたありきたりな答えのはるかに上を行く方法を見つけました。
どんなやり方をしたのでしょう?
じつは、大金を稼いだチームは、元手の5ドルにはまったく手をつけていません。
お金に注目すると、問題を狭く捉えすぎてしまうことに気づいたのです。
5ドルはあってないようなもの。そこで、問題をもっと大きな観点で捉え直すことにしたのです。
元手を5ドルと決めつけてしまっては視野が狭くなってしまいます。
実際、課題では5ドルが手元にあるといっているだけで、5ドルしか使ってはいけないといっているわけではありませんし、5ドルを使わなければならないとも言っていません。
こうした様々な講義の事例などを引用して、「自分の殻を破ろう」「みんなの悩みをチャンスに変えろ」「ルールは破られるためにある」「機が熟すことはない」「早く、何度も失敗せよ」といった、人生を変える言葉がいっぱい詰まっていました。
この本では、多くの月並みな考え方を覆していきます。
自分自身を、そして世界を新鮮な目で見てほしい。これがわたしの願いです。
この本で目指しているのは、読者の皆さんに新しいレンズを提供することであり、
そのレンズを通して、日常でぶつかる困難を見つめ直し、
将来の進路を描いてもらうことです。
常識を疑い、見の周りのルールが本当に正しいのか再検証してもいいのだと、
みなさんの背中を押したいと思います。-著者:ティナ・シーリング-
将来に迷っている学生だけでなく、独立志向のある人、起業したけど上手くいっていない人、ルールに縛られて物事を自由に考えるのが苦手な人など、人生を変えたいと思っている人必見の良書でした。
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まとめ
そういえば、先月は「お金」や「宗教」に関する本が1冊もありませんでしたね。
あまり考えずに選んでいたので、たまたまですが、今後もジャンルは気にせず読みたい本を読もうと思います。
気になる本がありましたら、ぜひ読んでみてください。
それではまた、see you!
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