なかなかインパクトのあるタイトルの本ですが、本書は慶應義塾大学大学院准教授であるジョン・キム先生の自己啓発本です。
内容は、キム先生が自分の教え子たちへの卒業のはなむけに送った言葉が基となっているそうです。
さまざまな書評ブログで絶賛されていたので読んでみましたが、一つ一つの言葉が胸を打つスゴ本でした。
世界を征服するより、自分を征服するほうが難しい
内面のコントロールとは、4つのコントロールである。感情、思考、言葉、行動である。この中でも、とりわけ難しいのは、感情のコントロールだ。いかに穏やかに、平常心を保ち続けられるか。これが一番難しい。しかし、これがコントロールできたなら、人生は大きく変わっていく。
自分自身をコントロールするというのは非常に難しい。言うつもりはなかった言葉で相手を傷つけてしまったり、勉強しなければならないと分かっていてもできなかったり。身に覚えのある人はたくさんいるのではないでしょうか。
逆に言えば、これらをコントロールできれば、今までうまくいかなかったこともうまくいくことができます。この世の多くは、冷静になって客観的に自分を評価し、行動を見ることができれば解決できることがほとんどなのです。
不満の原因は、自分の中で見つける
不満を学びの材料にし、成長の材料にし、反面教師にすることができれるようになれば、ある意味で不満は感謝の対象にすらなってくる。世の中で起きることを自分でコントロールすることは難しい。しかし、起きたことに対して、どう解釈するか、は自分次第なのだ。その解釈を自分の内面的な成熟につなげていくことができれば、それは単なる不満ではなくなる。
幸せと不満は対極にあると言っていいでしょう。幸せではない状況に不満が募り、愚痴を言います。しかし、不満や愚痴を吐いたところで幸せになるわけではありません。口に出すことで不満を再認識し、さらに不満を募らせてしまいます。
不満を言い続ける人は、それが習慣になり、些細なことでも不満となってしまいます。すると、同じような人たちが同調して集まってきてしまいます。
しかし、その不満の原因を自分の中に探してみると、それらは自分の成長のきっかけになります。すると、いつの間にか不満がだんだんと小さくなって昇華していきます。
そして、自分が成長することにより、周囲が変わっていくのが分かります。他人をコントロールするのは難しいですが、自分をコントロールすれば周りを変えることもできるのです。
むやみに自己主張はしない
重要なことは、自分の意志や主張を通すべきときには、どうしても通したいときにこそ通す、ということ。すべての場面において自分の思いが叶うわけではない。それが世の中の現実である。
何でもかんでも自己主張する人間は信用されません。なぜなら、自己主張ばかりする人間は重みがないからです。人間としての重みが、言葉に説得力を与えます。
普段から譲らない人の言葉は誰の耳にも届きません。ここぞというときに意見をいう人の言葉の方が、周囲は耳を傾けてくれるものです。
だから、自分が主張したい意見は、自分の中で優先順位をつけておくことが必要です。優先順位の低い意見は、グッと我慢していざというときのために発言を控えておきましょう。
まとめ
ここに紹介した内容以外にも、ほとんどの章で付箋を貼ってしまうほど、中身の濃い本でした。むしろ、ここで紹介する内容を選ぶのが大変だった程です。
この本は、ぬるま湯につかったような人間が読んでもたぶん響きません。むしろ、痛いところばかりをつかれて、嫌な気になってしまうかもしれません。少しでも自分の現状に気づける人が読めば、きっと人生を変えてくれる本になることでしょう。
ちなみに、キム先生の言葉に涙を流してしまう生徒もいたのだとか。それでも、それぐらい学生のことを心配し、厳しい社会に出る教え子たちへ叱咤激励している内容となっています。
そして、本書の中でタイトルにも使われている「媚びない人生」を送るために重要なことが書かれています。
媚びない人生を送るためには、選択肢を拡大することが重要なのだ。もしかすると職を失うかもしれない、という怯えが、媚びを生む。媚びた瞬間から、無意識のうちに会社に取りこまれることになる。自分が望むような人生を、自らが手綱を引いて推し進めることが、できなくなる可能性があるのだ。
依存せずに自分の足で立つための準備が、できているのといないのでは、その先の人生が全然変わってしまいます。
他者に依存しない「媚びない人生」を歩む覚悟はできましたか?
それではまた、see you!
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