返報性の法則というものがあります。タダでものをもらったり何らかのサービスを受けると、受けた方はそのお返しをしなければならないと思う習性を利用したものです。
但し、中途半端なモノやサービスは中途半端な結果しか生みません。やるなら徹底したサービスをするべきなのです。
スーパーの試食品コーナーは、なぜ無人じゃないのか!?
例えばスーパーの食品売り場の試食や、お試しの試供品サービスなどなど。これらはただ渡せばいいというものではありません。どうやって渡したかが重要なのです。
世の中タダで貰えるもので溢れています。タダで貰うことに慣れた人たちにとって、ただ単に試供品などをあげても相手の心は動きません。
駅前などでポケットティッシュを配っても、もらってくれる人のほうが少ないですよね。
コミュニケーションによって情が生まれる
ではどういうときに心が動くのか。それは渡す人がもらう人とコミュニケーションをとったときです。
会話もせず、バラまいているものを貰っても、貰ったことに対する感謝はありません。しかしながら、そこに配っている人との会話が入るとどうでしょう。
人との接点という意識が芽生え、情が生まれ、「タダでもらったら悪い。何かお返しをしなきゃ!」という気持ちになるのです。
スーパーの試食品コーナーにわざわざ人を配置するのは、声をかけてコミュニケーションをとりながら試食品を配り、商品を買ってもらうためなのです。
ネットワークビジネスで商品を売る人も、まずは相手に尽くしている
マルチ商法というと聞こえが悪くなるので、最近ではネットワークビジネスという名前に変わっているようですが、そういったビジネスに参加している人が、私の嫁や知り合いの周りにもいたりします。
そういった類いのビジネスは、「怪しい」「騙される」というイメージが強いので、買う人がいるのかなぁ?という印象を持っていたのですが、どうやらうちの嫁も私の知り合いの人も、みんな何かしらの商品を買っているようなのです。
なぜ?と不思議に思ったので、買う気になった理由を聞くと、「その人との付き合いもあるし無下には断れない」と言うのです。
ネットワークビジネスで商品を売るカラクリ
なんでも、もともと知り合いだった人に「良かったら使ってみて~♪」と商品をもらったりしていたそうです。「使ってみたら意外と使える!付き合いもあるし便利なら買ってもいいかなぁ…」という流れで商品を買うのだそうです。
そして、口を揃えて「でも、モノはいいんだよね。」と言います。まるで自分を納得させる呪文のように皆同じことを言うのです。
ここでポイントとなるのは、まず相手に尽くしているということです。買ってとは言わず、商品をプレゼントして使ってもらう。使ってみたら意外と便利。でもそれ以上は売りつけてこない。
良いものであれば、ネットワークビジネスにのせなくても売れるはずです。そういった商品が少し高いのは、商品がイイモノだからではなく、ネットワークビジネスにおける紹介料がのせられているからなのです。にも関わらず、売れるのは、返報性の法則を利用してうまく広めているからだと言えます。
まとめ
成績の良い営業マンに営業のコツを聞くと、返ってくる言葉は「商品を売ろうとするな」ということです。
最初からその商品を求めているなら別ですが、そうでなければ営業をかけられた方としては、迷惑なだけで買ってくれようとはしません。
ですが、自分の知り合いに対しては、無下に断ることができないので対応は変わってきます。よって、営業成績の良い営業マンは、まずお客様と知り合いになることから始めるそうです。
売ろうとすると売れなくて、売ろうとしなければ売れる。結局営業とは、売るための手段ではなく、徹底したサービスを提供した延長線上にあるものなのかもしれません。
これが少しでも理解できれば、明日からの営業成績も変わるかもしれませんよ。