今回紹介する本もお金にまつわる本です。著者の心屋さんといえば、心理カウンセラーとして数々のベストセラーを出版されているということで、名前だけは知っていました。
しかしながら、これまでは機会がなくて著書を読んだことはなかったんですが、本書はお金に関するテーマであるということと、サクッと読みやすいマンガであることから読んでみることにしました。
結論から言うと、さすが心理カウンセラー。なんだか根本的に今までが間違っていたように思えました。
「マンガで学ぶ 心屋仁之助のお金を引き寄せる体質改善」あらすじ
まずは、いつものようにAmazonの商品説明から本書の内容を引用して紹介します。
累計著書270万部突破!テレビでも話題沸騰の「性格改善」心理カウンセラー・心屋仁之助に学ぶ「お金」がどんどん入ってくる体質改善法!
引用元:Amazon
あまりにもざっくりしすぎて、内容が見えないですね。ということで、本書の中にあるプロローグの中から一部抜粋してご紹介します。
この本では、心屋仁之助式「お金引き寄せメソッド」を学んでいきます。お金に好かれる人になるためには、まずアナタ自身を変える必要があるのです。心屋さんから学んで「お金を引き寄せる体質へ!」目指せ、体質改善!
というわけで、お金に苦労していない人は「お金を引き寄せる体質」であり、逆の場合自分の方から「お金を遠ざけている」というのが心屋さんの教え。つまりは、どんなに貯金したり節約したり、投資したりしてマネーリテラシーを高めたとしても、この根本の考え方を変えなければ、いつまでたってもお金に縛られた生活をしなければならないのだそうです。
これはかなり気になる内容ですね。では、本書の中から気になる部分をピックアップしてご紹介していきます。
お金には「いいお金」も「悪いお金」もない
世の中の人の多くは、お金にこだわるのは良くなくて、「世の中はお金じゃない!」って考えている人が多いのではないでしょうか。
特に、マンガとか、時代劇とか、ドラマなどでは、お金を持っているのは悪人で、それに立ち向かう主人公って言う構図が成り立ってたりしてましたよね。
参考 ドラマやマンガに出てくる金持ちって、なんで悪者扱いされてるの?そのことに関して、本書の中では次のように説明されていました。
心屋「多分、横山くんは自分が努力して得たお金ならいいって考えだよね。」
横山「それです、それです!」
心屋「確かにお金お金ってこだわるのは良くないよね。」
横山「ですよね!」
心屋「でも、それと『お金持ちは悪い』っていうのは、全く別の話だよ。」
心屋「横山君はお金に色がついてると思ってるんだよね。」
横山「色!?」
心屋「良いお金と悪いお金があると思ってる。努力して得たお金は『いいお金』で、自分で何もしないのに手に入れるようなお金は『悪いお金』。」
心屋「でも実際は、愛人のもらうお金だろうが、汗水流して得たお金だろうが、価値は変わらないんだよね。お金は、お金。」
心屋「お金に色をつけて考えるってことは、自分に入ってくるお金にも制限をかけてるってことなんだよ。」
心屋さんが言いたいのは、専業主婦が働かずにもらう生活費は「悪いお金」ってことになっちゃうんじゃない?専業主婦は家事をしているよって言うのであれば、子供の小遣いやお年玉は「悪いお金」になるの?ってこと。子供の小遣いやお年玉は「悪いお金」じゃないですよね。
つまり、働かないでお金を得ようが、手段はどうあれ、犯罪をして手に入れているわけではないのであれば、「いいお金」も「悪いお金」もないってこと。
それこそ、「いいお金」「悪いお金」と区別しているってことは、それだけお金にこだわっているって証拠ですよね。お金を持っている人ほど、「いいお金」も「悪いお金」もなく、むしろ不労収入を持つことがお金に縛られない生き方だとわかっていたりするからです。
お金について悩む人は、お金について誤った考え方をしていることが多いから、まずはそこに気付く必要があるよね。いつも言うけど、大切なのは「方法」じゃなくて「あり方」なのね。だから、この本では、お金持ちになる「方法」じゃなくてお金に対する「あり方」について考えていこうか。そうやって自然と収入が増えるような「生き方」に皆がなるといいよね。
お金を稼いだり、増やしたりする方法はいくらでもあります。しかし、いくらお金を稼いでも、増やしても心を満たすことはできません。結局、誰もが本質的には、心を満たすためにお金が欲しいのではなく、お金は関係なく心を満たしたいだけなのです。
だから、お金が入れば心が満たされるではなく、心が満たされるからお金も入ってくるという考え方にシフトする必要があります。そういう考え方ができるようになると、今まで見えなかった豊かさにも気づくようになるわけです。
損得ではなく好きか嫌いかでお金を使う
僕らは、お金を使うとき「損をしたくない」って思いがちなんだよね。たとえばバイキングに行って元をとろうと、気持ちが悪くなるまで食べちゃったり、新幹線のグリーン車に乗るとき、つい「料金上乗せ分払うだけの快適さがあるのか」なんて計算しちゃったり…。昔の僕も、常にいろんなことを頭の中でお金に換算して、元がとれているか?お金に見合うものが手に入るかどうかってことを意識してたんだよね。でもそれってね、自分がそれを「好きか嫌いか」っていう自分の本当の気持ちを無視してるってことなんだよ。
「好きか嫌いか」ではなく、「損か得か」という秤でお金を使うというのは、自分という生き物の心を殺した価値であると心屋さんは言っています。つまり、そういう人の方が一番「お金にこだわっている」状態なのだとか。なるほど、これには一理あると思います。
そうやって、お金の損得とか、時間の損得、人間関係のしがらみとか、そんなことよりも自分が「やりたい」「やりたくない」ってほうを大事にすることで、お金の詰まりがとれてくるのだそうです。
確かに、せっかくお金を使うのですから、好きなことにお金を使った方が幸せですよね。何でもかんでも好きなことにお金を使うことは、無駄使いに繋がりそうですが、そこも「本当に好きなこと」なのか、それともただの「惰性」なのかを向き合うきっかけにもなりそうですね。
そもそも、お金がない時っていうのは、「好きなことができない時」ではなく、「本当に好きなことしかできない時」なのだとか。お金があったら「とりあえず」でできちゃうことも、お金がないことで真剣に悩むことができます。「本当に好きなこと」のために、それ以外のことを本当に好きかどうか考えることができます。
そうやって「本当に好きなこと」にお金が使えるようになると、心屋さんの言う「お金の詰まり」をなくすことに繋がるのでしょう。好きなことやモノに囲まれるから、常にごきげんとなり、いろんなことを許せるようになります。すると、自分の器がぐわーって広がってお金の流れや運気の流れが良くなるというわけです。
そう考えると、お金を使うことを損得で考えるのは馬鹿らしくなりますよね。すぐにでも「本当に好きなこと」のためだけにお金を使うようにしていこうと思います。
子供のころについたお金の価値感を捨てよう
人がお金に対する価値観や考え方を持つのは、初めてお金を貯めて欲しいものを買ったときでも、初めて働いて給料をもらったときでもなく、物心がついてお金の存在を知ったときなのだそうです。
子供のころに簡単にお金を手に入れたり、使ってたりしていたからといって、お金にルーズな人間に育つことなんてことはありません。これは、大人が子どもを教育する時に使う勝手な解釈で、「お金は苦労して得るもの」という考えは、逆にお金に固執した人間性を生み出すことに繋がる危険性の方が高いんですね。そして、こうした思考や体質は、みずからの行動範囲を狭め、なおかつ目の前に転がりこんでくる”簡単に大金を得る”チャンスを逃すことにも繋がり、簡単にお金が入らない状況を自分で作り上げている言えます。
多くの大人が、子供に大金を与えたら、お金の苦労が分からない世間知らずな子になるという懸念を持っているのではないでしょうか。私の周りの大人たちも、口をそろえて「子供に大金を持たしちゃいけない」とか、「お手伝いしたらお小遣いをあげる」という教育をしていました。
そうすると、当然そうやって育てられてきた子どもたちは、「楽して儲けちゃダメなんだ…」と洗脳されて、世の中の歯車の一員として、お金持ちにはなれない道をたどってしまいます。確かに、「俺は起業して一旗揚げるぜ!」なんて子どもは、こんな教育している中からは生まれてこないですよね。
ちなみに、お金持ちの子どもは、特に苦労もせずお金を手にすることが当たり前に身についているので、目の前に転がっている『簡単に大金を得るチャンス』を、あっさり飛び込んでものにしちゃうのだそうです。そうやって聞くと、「あっさり詐欺に引っかかりそうだな www」とうがったものの見方をしてしまうのですが、きっとそういうことではないんでしょうね。
確かに、大きなお金を考えられない人間に、大きなお金に縁のある生活が送れるはずがないですよね。そういって意味でも、小さいころからお金に対する偏見や固定観念をつけないように気をつけなければなりません。
ちなみに、私は自分の子供に対して、「お手伝いしなければお小遣いがもらえないよ!」と教えるつもりはありません。「お金は”ありがとう”という気持ちを形にしたものなんだよ。」って教えるつもりでした。
参考【子どもに伝えたい】お金を稼ぐということでも、それだけでは不十分なことが今回わかりました。自分の子供に対しては、偏見や固定観念を持たせないように気をつけながら、もっと気楽にお金と向き合えるようにして挙げたいと思います。
まとめ
今まで、お金に関する本をたくさん読んできたのですが、この本は、そのどれにも当てはまらない、「お金のあり方」に関する本でした。本書を読んでいると、誰もが持っているお金に対する偏見や固定観念をズバズバと言い当てて、それがたいてい自分と重なるものだから、私にはかなり響いた内容でした。
とは言っても、心理カウンセラー特有の、具体的な解決策はないけど、もっとこうすればいいのに…というようなこともたくさん出てきます。それができないから悩んでるんでしょ!って思わず突っ込みたくなりますが、心屋さんからすれば、そうやって言い訳をすることでブレーキをかけていると言うのではないでしょうか。
根本的に今の現状を変えて、悩みを解決したいのであれば、今の状況で一番あり得ない選択肢を選ぶことが大切なのだとか。で、それを選択した後は、何とかなるんだそうです。これまた無責任 www。でも、実際、怖がっていたとしても、結局何とかなるのかもしれませんね。
そして、どうしてもお金にこだわるのをやめられない人にお勧めなのが「神社ミッション」だそうで、どこの神社でもいいからお賽銭箱に一万円を入れちゃうというものだとか。そうすることによって、お金の金額にとらわれないように意識を変えるのだそうです。
この話を読んで、やるならできるだけ大きな神社の方がご利益がありそう…と考えたあなたは、まだまだお金に対するこだわりを捨てられてませんからね(笑)。
というわけで、信じるも信じないも自分次第。面白がってなんでもやれちゃう人が幸せになれるのかもしれませんよ。
それではまた、see you!
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