仕事ができる人と、できない人では、思考や行動、感情など様々な面で違いがあります。できる人はそれが自然とできますが、できない人は気づくことさえもできません。
そういった様々なことができる人というのは、経営者としては「この社員は絶対に手放したくない!」と思えるものです。
その違いというのは、実はそんなに難しいことではありません。それこそ、ちょっとした意識の持ち方や、行動を変えることによってできる社員になれるものです。
仕事ができる社員の5つの特徴
「結果がすべて」と考える人
「やることはやったのだから、結果が出なくても評価してほしい。」と考えるのは間違っています。なぜなら、本来、「やることはやった=正しいプロセスを踏んだ」のなら、結果が出ていなければおかしいからです。
結果につながらなかったら、プロセスのどこかに問題があったと考えるのが自然であり、プロセスそのものが正しくなかったのなら、いかに努力をしたにせよ、決して評価されるべきではありません。
経営者の立場から考えると、どんなに努力をしようが、結果がともわなければ何の意味もありません。努力したというだけで利益を生まなければ、その従業員の給料を払うことができないからです。
努力をしたけれども売り上げを上げることができない人と、努力をしなくても多くの売り上げを上げ、会社に利益をもたらす人。どちらが会社にとって必要かは明らかですよね。
努力をしても結果的に利益を生み出さなければ、結果を出した社員の利益を奪うことになります。それなのに評価を知ろというのは、結果を出した社員に対して不公平ではないですか?
努力をするというのは、目標を達成するためには当たり前のことです。むしろ、成功するには必要最低限のことであり、当たり前すぎてほとんどの成功者はこれまで語ってはきませんでした。そうして考えると、誰もがやる当たり前のことをして評価してほしいというのは間違っているのがわかりますよね。
私は、後輩や部下などには「努力していることは感謝している。頑張っていることもちゃんと見ている。でも、それだけじゃ認めない。結果を出したときに初めて、やったことをを認めるし、評価するよ。」と言っています。
仕事ができる人は、結果に満足して、仕事ができない人は、やった過程に満足します。本来の目的を考えれば、どちらで満足するべきかわかるはずです。
「悲観的」に準備して「楽観的」に考える人
心の持ち方として楽観的であることは、自分らしさや常識的な考え方を保つためには必要です。しかし、その前に最大限の努力をした上で、最後の最後に「ここまでやったのだから何とかなるだろう」と楽天的に構えることが前提です。常に楽観的ではいけません。
「先々悪い方向へ行きそうだ」と予想されることは徹底的に洗い出し、事前に手を打っておきます。そうして、万事を尽くして天命を待つだけの段階になったら、うまくいくことを信じて待つ以外にないでしょう。つまり、仕事ができる社員は、悲観的に準備して、楽観的に考えます。
楽観的に考えることにより、上手くいかなかった場合、それを引きずらなくて済むというメリットがあります。結果を冷静に分析し、次以降どうすれば上手くいくかを考えなければならない場面で、引きずってしまうのはビジネスだけでなくても良くありません。
過去は過去とし、経験としては蓄積する必要がありますが、感情まで持ちこしてしまっては前には進めなくなってしまうからです。
だからといって、最初から楽観的過ぎるのも良くありません。仕事ができない人は、最初から楽観的に考えてしまい、必要な準備を怠ってしまいます。
何ごとも、成功するには少なからず運の要素も必要となります。最初から楽観的では運の占める割合が大きくなりますが、しっかりと準備ができていれば、運の要素を小さくすることができます。
運の要素が小さければ小さいほど、その後に楽観的に考えることができるのです。
走りながら考える人
仕事というのは、計画段階で六割くらい正しいと判断できたら、実行段階に移り、あとは「走りながら」考えて、決めていけばいいのです。
「走りながら」とは、実行の現場で判断するということであり、それによってブレることなく、たやすく判断を重ねていくことができます。
全てを完璧に準備してから始めたのでは、時すでに遅し…ということもあります。先ほど、しっかりと準備することが大事といいましたが、ある程度準備の準備をしたら、あとは実行しながらひとつふたつ先のことも準備していきます。
計画はあくまでも計画であるので、どんなに緻密な計算のもと準備を進めても、実行する現場では常に変化していきますので、都度修正していかなければならないからです。
「考えること」と、「実行すること」が別々であっては臨機応変に対応することが出来なくなります。だから、仕事ができる人は考えながら実行していくのです。
まわりを上手く使える人
「部下に責任を負わせろ」とは、よくいわれます。しかし、それは、権限を与えれば、権限を与えられた担当者が持つ責任感によって自動的に補完されるものです。
(中略)
仕事が人を育てます。
「上司が人を育てる」というのはおこがましい考え方です。そう考える上司に限って、人を育てられません。育てるどころか、優秀な部下を自分と同等か自分より低いレベルに抑え込むような事態になりがちです。
仕事そのものが人を育てるのです。
自分一人ではやれる仕事量が限られてしまいます。それでも今までの2倍の量、仕事をこなさなければいけない場合、自分と同じ能力を持つ人をもう一人用意すればいいのです。部下の能力を上げる一番簡単な方法は、「経験」をさせることなのです。
全てを準備してあげて経験させても、それは経験とはいえません。ある程度の権限を与え、責任を与えることにより、人は圧倒的な経験とともに実力が付くのです。
失敗しても、それが経験となります。未熟な人に大きな責任を負わせるのは勇気がいることですが、いざとなったら自分が何とかするという覚悟を持って任せれば、その後、自分が楽をできるようになります。
プライドを高く持ち、向上心を生み出す人
「プライド」とは、それが向けられる対象によって意味合いが変わってきます。高いプライドを外に向ければ「自尊心」となりますが、自分自身に向ければ「向上心」を生み出します。
逆に低いプライドは、周りに対する謙虚な姿勢となって現れるのなら一流の振る舞いとなりますが、自分自身に対するあきらめや向上心のなさにつながってしまうと、成長を阻害します。
プライドを持つというのは確かに必要なことです。プライドを持つことにより自分自身をさらに向上させることができますし、中途半端な仕事はしなくなります。高いプライドを持つことで、質の高い仕事をするようになる半面、”高すぎる”プライドは虚栄以外の何ものでもありません。
形だけのプライドは、勤勉の機会を止め、成長を止めるきっかけとなってしまいます。
「高い」プライドは内に向け、「低い」プライドを外に向ける。そうすれば、それがあなたを成功へと導く武器となるでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。たしかにこんな従業員がいたら、何が何でも手放したくないと思いますよね。こういった社員であれば、黙っていても出世するでしょうし、気が付いたら独立しているかもしれません。
そういう社員を作り上げるのも経営者のあなたの重要な仕事です。一つ一つはそんなに難しいことを言っていません。むしろ、今日からでも何とかできるものもあります。
私自身でもこれらのことを意識しながら、仕事ができる人間となり、良いお手本になれるよう努力していきたいと思います。
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