【書評】正しい恨みの晴らし方

公開日: マインドハック, 書評 , ,

tadashiiuraminoharashikata

人間の負の感情の代表といえば、「恨み」「妬み」「嫉妬」。Facebookを代表とするSNSの普及により、リア充自慢をする人たちに対して、そういった感情を持った経験のある人も多いのではないでしょうか。

実際、私も非常に根に持つタイプの人間なので、そういった感情を抱えながら生きているというのが正直なところです。

本書は、心理学と脳科学の観点から「恨み」「妬み」「嫉妬」の正体に迫っています。

 

スポンサーリンク

 

「恨み」の正体

PAK86_kusoyarareta20140125500_R1

本書の中では、恨みを以下のように定義しています。

「思い出し怒りにとらわれた状態」もしくは、「怒りをもたらした出来事を反芻せざるをえない状態」

誰もが「怒り」や「悲しみ」という感情を持っても、何らかの方法でそれを晴らそうとします。人に愚痴を聞いてもらったり、食べて発散したり、買い物して発散したりと、人それぞれの方法で、その感情を鎮めることができます。

しかし、どんな方法をもっても、鎮めることができない「怒り」がまれにあります。自分たちを怒らせた出来事を何度も思いだし、そのたびにまた怒り続けることってありますよね。

どうしても許すことができない。憎くて憎くてしょうがない状態。まさしくそれが恨んでいる状態です。ではなぜ、許すことができない状態が続くのでしょうか。その理由を心理学の観点から次のように解説しています。

不当な扱いをされた、侮辱された、人格までも否定されるような叱責を受けた…。こうした経験の背景にある不条理さの感覚は払拭しがたいものです。そして、なかなか気持ちの整理がつかなくなるからこそ、怒りが維持されてしまうのです。

恨みは、被害者意識による怒りです。しかも、ちょっとしたことで静まるレベルの怒りではなく、その怒りが続けば続くほど深い怒りとして心から消えにくくなっていきます。

 

「妬み」と「嫉妬」とは

DI_IMG_5697500

「妬み」と「嫉妬」は、ほぼ同じ意味で使われることが多いのですが、心理学では二つは異なる感情だとされています。

妬み(envy)は自分の持っていない何らかの好ましい価値のあるものを、自分以外の誰かが持っていて、それを自分も手に入れたいと願うとき、その相手に対して生じる不快な感情のこと。

嫉妬(jealousy)は、自分の持っている何らかの好ましい価値のあるものを、自分以外の誰かが持っておらず、それを誰かが奪いにやってくるのではないかという可能性があるとき、その相手を排除したいと願う不快な感情のこと。

少し言っていることが難しいですよね。簡単に言うと、自分の持っていないものを持っている相手に対して持つ感情が「妬み」で、自分が持っているものを奪おうとしている相手に持つ感情が「嫉妬」です。

例えば、「あの人の持っているものを自分も欲しい!あの人ばかり持っていてズルい!」と思う感情が「妬み」で、自分の恋人が誰か他の異性と仲良くしているのを見て「私の恋人と仲良くしているのが許せない!」と思うのが嫉妬です。

ちなみに、「妬み」は全て悪いものということでもないようです。

というのも、妬みは、価値の高い物を相手が持っているときに得る感情なのですから、自分もそれと同じものを手にしたときにその「妬み」は消えます。つまり、妬み感情から消費が促進され、経済が潤うということがあります。

例えば、最新モデルのスマートフォンやパソコンなどを持っている人がいて、自分はもっとかっこよくて性能がいいものを買いたいとたくさんの人が思えば、景気が上向きます。本来はネガティブであるはずの「妬み」が、社会的な役に立つこともあるのです。

それに対して嫉妬の方は、なかなか根深いもののようです。

嫉妬は、「もの」というよりは、「関係」にまつわる感情です。嫉妬心が強くなるのは、その相手との関係を大切に思っているからです。しかし、悪く言えば依存しすぎている、関係にこだわっている証にもなります。嫉妬深い人というのは、誰かにすがりすぎる傾向があるのです。

最近ではLINEの既読スルーが社会問題にもなっているように、誰かに無視をされると不快に感じるというのも「嫉妬」の一部なのだそうです。

相手から自分が思っていた通りのレスポンスがないことによって不快になるのは、特定の関係にすがり、相手に期待しすぎている状況にほかなりません。その期待が大きければ大きいほど、深い嫉妬として不愉快になっていきます。

では、そうした「恨み」「妬み」「嫉妬」はどうしたら晴らせることが出来るのでしょうか。

 

「仕返し」「見返し」と「シャーデンフロイデ」

waruguchijyanakatta_500

いつまでも消えない「怒り」を晴らす方法のひとつとしてあるのが「仕返し」です。相手にも自分と同じ傷を負わせて、自分と同じ苦しみを味あわせてやることです。

しかし、「仕返し」をしたからといって、怒りが癒されるものでしょうか。きっと同じ傷だけでは満足せず、「倍返し」「10倍返し」でもしなければ満足できなくなってしまうことでしょう。

「仕返し」以外にあるのが「見返し」というものです。侮辱された人間よりも立派になった姿を見せつけてやる行為です。例えば、クビになった会社よりも大きな会社に入って出世したり、フラれた相手よりも魅力的な異性と交際し、幸せになるなど。

社会的地位などを手に入れていつの間にか「怒り」を晴らすのですから、「見返し」は「仕返し」と違って後に引かない純粋な「恨み」の晴らし方のように思えます。

そしてもう一つが、「シャーデンフロイデ」です。これは、自分が手を汚さなくても、他者が傷つくことによって喜びを得る行為。自分とは関係がないところで、他人が失敗したり不幸になったこと対して「ざまを見ろ」とか「いい気味」と思うことです。

自分よりも幸せで上の立場にいると思っている人が、不幸になって自分のポジションまで落ちてきたことに対して喜んだり、自分よりも下のポジションに落ちることによって「自分はまだマシ」と思うのだそうです。

 

「シャーデンフロイデ」を利用したドラマはヒットしやすい

konnakaisyayameteyaruwa_500

昔から、主人公が恨みを返したり、悪人が成敗されるドラマはヒットしやすいという傾向があるようです。古くは「水戸黄門」や「必殺仕事人」などの時代劇や、新しいところでは「半沢直樹」など。

視聴者は、自分が持っている「恨み」や「妬み」「嫉妬」とは関係ないことを理解しながらも、普段から抱えている理不尽なストレスをドラマに出てくる悪人に移し替え、それが成敗される状況でスッと気が晴れる気になれているのだそうです。

他人の不幸を喜ぶというのは、何か不健康な感じがしますが、直接的に対象に「仕返し」をするよりは、まだマシな「恨みの晴らし方」なのかもしれません。

 

まとめ

仏教では、「怒り」という感情は自分が生み出しているものであると考えます。外的要因に対して、「怒る」と決めたのは自分だ。それなのに外的要因に悪意を持つのはおかしいと説いています。

本来、生きるということは思い通りにならないものだという考えなのですから、恨んだり、嫉妬したり、妬んだりすること自体間違いだというのです。

もしかしたら、これが究極の「正しい恨みの晴らし方」なのかもしれません。

それではまた、see you!

 

 

スポンサーリンク

アドセンス

 

記事をご覧になられたらシェアしていただけると嬉しいです。

ブログの更新情報はこちらでも配信しています。

follow us in feedly

 

関連記事

なぜ正論を言う人は嫌われるのか!?

正論って、なぜ伝わらないのでしょうか。正論とは正しいことであり、それが通るのが本来の姿である

記事を読む

口ベタでも、上手くいく人はコレをやっている

【書評】誰にも教えたくない「口ベタでも上手くいく人は、コレをやっている」こと

コミュニケーション力が高い人といえば、「話し上手で相手の気持ちをつかむのが上手な人」というイ

記事を読む

時間=命、無駄な時間を過ごすのは無駄に命を削ることだ

成功者、もしくはこれから成功するであろう人と、そうでない人の違い。あなたは何か分かりますか?

記事を読む

もしドラ

【書評】今さらだけど『もしドラ』こと『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』を読んでみた

今回、書評でご紹介する本は、2009年の12月に初版が発行され、その後爆発的な人気となり、電

記事を読む

知らないのはみんな一緒、むしろ知ろうとせず調べないことが罪である

今の時代、だいたい一家に一台はPCがあります。そのため、分からないことがあってもネットでしら

記事を読む

なんでお店が儲からないのかを僕が解決する

【書評】堀江貴文「なんでお店が儲からないかを僕が解決する」は飲食店経営者必読の本だった!

「飲食店経営はやっぱり難しい…。」 これは、10年経営していたお店を閉店した私の友人が

記事を読む

自分を変える手っ取り早い方法は付き合う人を変えること

以前、新しい自分を見つける方法という記事をpostしました。 それまで自堕落な生活をし

記事を読む

もう怖くない!プレッシャーを克服する方法4つ

「あなたはプレッシャーを感じたことはありますか?」そう質問して「プレッシャーを感じたことはあ

記事を読む

他人に与えるものがないと何も自分に返ってこないことに気が付くことが大切

あなたは、周りの人たちに与えることが出来る人ですか?何もお金や物だけの話ではありません。時間

記事を読む

「誰が言ったか」ではなく「何を言ったか」が大事!!

世の中では、「何を言ったか」よりも「誰が言ったか」のほうが重要だったりします。確かに話す人に

記事を読む

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

アドセンス


follow us in feedly
空気のつくり方
【書評】池田純「空気のつくり方」はベイスターズファン以外の人も必読のマーケティング本だった

場の空気ってありますよね。その場の空気を読める人はコミュニケー

【ベビー服】女の子の赤ちゃんへの出産祝いやプレゼントにおすすめの服(ブランド)を紹介!

昨年の9月に待望の娘が生まれまして、自分のものよりも娘のものに

不平不満や文句ばかり言う人の特徴7つ!いつも不満を口にする人は常に何かに不満を持っている

いつも不満ばかり言う人っていますよね。何かにつけて文句ばかり言

【終活】親が死んだあとのことを考えて終活について真面目に話し合ってみることにした

突然心筋梗塞で倒れた私の父ですが、先日無事に退院することができ

お金に無頓着な人は自分の命を無駄にしているのと同じ

かつての自分は、お金に対して本当に無頓着でした。稼いだ金を無駄

→もっと見る

  • 名前:コヤマタカシ
    上場企業で働きながら週末社長として起業しました。起業した記録とマインドハックを備忘録として記録しています。
PAGE TOP ↑